アスリート生活活動代謝を知っておこう
アスリートの身体活動レベルは、表の中の「高い」に当てはめて考えます。
基礎代謝が2000kcalの男性の場合4000kcalになりますが、ハードなトレーニングをしているアスリートの場合、それだけではエネルギーが不足してしまいます。
ですから、アスリートの場合、トレーニングの内容を考慮して個別に必要なエネルギー量を割り出しておく必要があります。
アスリートの場合、生活活動代謝は「練習期」「試合期」「オフ期」の3つに分けて考えますが(別途解説します)、練習期のエネルギー消費量の目安は以下の通りです。
種目別の1日あたりのエネルギー消費量 |
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1日のエネルギー消費量 |
種目 |
2500〜3000kcal |
陸上(短距離走、跳躍)、体操、卓球、バドミントン、水泳(飛び込み)、フェンシンング、アーチェリー、スキージャンプ、射撃 |
3000〜3500kcal |
テニス、バレーボール、ボクシング(軽、中量級)、サッカー、ホッケー、バスケットボール |
3500〜4000kcal |
陸上(中・長距離走)、野球 |
4000〜4500kcal |
水泳、ラグビー、アメリカンフットボール、自転車(ロード)、レスリング(軽量級)、ボクシング(重量級) |
4500〜5000kcal |
ボート、スキー、レスリング(中・重量級)、柔道(重量級)、相撲 |
この表は男性の消費カロリーの目安です。女性の場合は数値の80〜90%程度になります。 | |
時間ごとの生活活動消費エネルギー、運動種目別の消費エネルギーを調べたい方はこちらのサイトが便利です。 |
もちろんこの表は目安ですので、練習内容や練習時間、運動強度を考慮に入れて計算する必要があります。
また、ラグビーやアメリカンフットボールのようにパワーが必要で、その上激しいコンタクトが必要な競技の場合、パワーを出しながらケガを予防するためにも筋肉を肥大させておく必要があり、基礎代謝、生活活動代謝ともに大きくなる傾向があります。
また、性別の違いでエネルギー消費量に違いが出てきます。女性アスリートの場合、男性と比べて体格が小さいこと、体脂肪率が高いことから、同じ競技でも男性アスリートの80%~90%程度になります。
子供の場合は、成長のためのエネルギーが必要ですし、競技によって筋肉量に大人ほどの差がないため、身体活動レベルは競技の違いは考えず身体活動レベルを「高い」として算出すれば良いでしょう。
最後に、アスリートのオフ期の消費エネルギーについてです。
オフ期のエネルギー消費量はその選手の練習以外での身体活動レベルを参考にして算出してください。オフ期に練習期と同じようなエネルギー摂取を続けるとエネルギー過剰になってウェイトが増えてしまいます。
減量やウェイトコントロールが必要な競技では、特にこのオフ期の食事でウェイトを増やさないことが、試合に向けての体づくりにおいて心身に負担をかけないために重要です。