トレーニングで補うと良いビタミン
ビタミンは水溶性のものと脂溶性のものがあり、脂溶性のビタミンは過剰摂取すると問題引き起こす場合がありますので、それぞれのビタミンの働きを理解して、1日必要な摂取量を知った上でどのビタミンをどれだけ飲むかを決める必要があります。
- 汗を大量にかく
- 高負荷のトレーニングを行う
- ストレスが多い
- 食生活が偏っている
などビタミンの排出や消費が多い場合は
- トレーニングの質を向上させる
- 体の回復を速める
- 体のダメージを抑える
ためにサプリメントや食生活の改善などで補給していきましょう。
ただし、過剰に摂取すると中毒症状が起きる可能性があるので、上限が設定されているビタミンは上限を守りましょう。
葉酸
葉酸は水溶性のビタミンB群の一種で水溶性です。
ビタミンB12一緒に赤血球の形成を助けています。
また、胎児の正常な発育に重要な働きをするビタミンなので、厚生労働省によって妊娠中の摂取は妊娠していない時の2倍近い量の摂取が推奨されています。
また、乳幼児期の子ども、成長期の子どもにとってみ必要なビタミンです。
体内の葉酸の約50%が肝臓に蓄積されていますが、細胞分裂の盛んな組織には多く存在しています。
葉酸は、レバーや葉野菜などに多く含まれていて水溶性ビタミンなので、茹でたりすると大幅に損失ししてしまいます。(アスパラガス:約90%、菜の花/ブロッコリー:60%前後、モロヘイヤ/ほうれん草:40%前後に減少)
また光や熱にも弱いので、食材は 冷暗所に保存するようにしましょう。
できるだけ新鮮なうちに加熱せずに食べられようにサラダや納豆、果物の生搾りジュースなどにすると良いでしょう。
アルカリ性では熱に安定ですが酸性では熱に弱い性質を持っています。
葉酸は体内でビタミンCによって活性型に変換され、ビタミンB12と協力し合って働いています。
ですから、葉酸の使用効率を向上させるためにビタミンCやビタミンB12を一緒に摂取するようにしましょう。
葉酸が不足すると
健康な人なら腸内細菌によって葉酸を合成できるので、不足することはめったにありません。
しかし、必要量が増加する
- 妊娠中の女性
- お酒をよく飲む人
- 避妊薬のピルやアスピリン、抗ガン剤を使用している人
などは消費量が増加するので不足しがちです。
不足すると赤血球を作ることができなくなるので貧血になりやすくなってしまいます。
赤血球は、赤芽球が分裂してできていきます。この分裂がうまくいかないと、赤芽球は赤血球になれずに、ただ大きくなって死んでしまいます。
正常な赤血球の数が減少し、赤芽球が大きくなって起こるので、これが原因の貧血を巨赤芽球性貧血(悪性貧血)といいます。
体の成長に優先的に葉酸が使われ、必要量が多い成長期の子どもに特に多く起こりる貧血です。
妊娠の初期に不足すると、胎児の神経管閉塞障害の危険性が高まります。
神経管閉塞障害になると無脳症、二分脊椎、奇形、下半身麻痺などの重度の先天性異常が起こってしまいます。
葉酸を妊娠のごく初期段階で十分に摂取することでよって、神経管閉鎖障害のリスクを軽減することができます。
また、口唇・口蓋裂といった障害や、先天性の心疾患の予防にも、妊娠期の葉酸の摂取が役立ちます。
妊娠を考えている女性は妊娠がわかってから葉酸を多く摂取するのではなく、妊娠の可能性がある段階で葉酸が多く含まれている食品を意識して摂取することが大切です。
また、葉酸が不足すると血液中のホモシステインというアミノ酸の量が増えるので動脈硬化のリスクが高まります。また、腸管粘膜、口内、舌に炎症が起きやすくなることが知られています。
葉酸は食品から摂取するだけでは、過剰摂取による健康被害が起こる心配はありませんが、サプリメントなどによって大量摂取すると、神経障害、発熱、じんましん、皮膚炎などが起こる可能性があります。
また、多量摂取が長期間続くと葉酸が亜鉛の吸収を阻害してしまうので、サプリメントなどで摂取する場合は上限量を守って摂取するようにしましょう。
造血、たんぱく質の合成、新陳代謝の活性化など、スタミナの維持や回復力に影響を与えるビタミンですが、ウェイト調整などで特に食事制限を行わなければ不足しにくいビタミンです。特に異常がなければ新鮮な食材をサラダやスムージーなどの熱を加えない方法で摂るようにしましょう。
葉酸の役割
- 造血
葉酸は造血のとき重要な役割を果します。骨髄の中で細胞分裂が活発に起きることで赤血球ができていくのですが、葉酸が不足すると細胞の分裂ができなくなってしまいます。
細胞の核に多く含まれている核酸をつくるために葉酸は不可欠だからです。
葉酸はビタミンB12と協働して核酸の生成を助けているのです。
核酸はすべての組織の細胞に必要ですが、特に赤血球の分裂への影響は大きいようです。 - 細胞分裂(成長促進)
葉酸は核酸の生成と関係が深く、DNAの生成にも関与しています。
つまり、細胞分裂について重要な役割を果たしているのです。
葉酸が欠乏すると核酸が合成できなくなって、DNAの形成や細胞の分裂がうまくいかなくなって、成長が阻害されてしまいます。
ですから、胎児のためにも妊娠中や授乳中の女性は十分に摂取してほしいビタミンです。
たんぱく質や核酸を合成するための約20種類の酵素が働くために必要な補酵素として、とても重要な役割を担っています。 - 胃腸粘膜の保護
葉酸が不足すると消化器系の粘膜に障害がおこります。
粘膜は新陳代謝が活発なので、細胞の成長に関与する葉酸が欠かせないのです。 - ホモシステインの減少
ホモシステインは血液中に堆積して動脈硬化を引き起こします。
心筋梗塞などの心臓病、脳卒中の危険因子です。
葉酸はビタミンB12と協働して、このホモシステインの血中濃度を減少させます。 - 陳代謝の活性化
葉酸はたんぱく質の合成のために必要です。
腸管や口腔内、舌などの粘膜は細胞の生まれ変わりが早く、葉酸が不足すると炎症が起きるなどすぐに影響が出ます。
葉酸を摂取することによって、皮膚や粘膜を強く健康に保つことに役立ちます。 - 脳機能の維持/改善
血液は体中の細胞に酸素と栄養を届けています。
血流が悪くなると認知症になったり、聴力障害を引き起こすといわれています。
ホモシステイン血症を予防して血流を維持することで、脳機能の維持、改に役立ちます。
葉酸が多く含まれる食品
- 肉類:レバー
- 海産物:焼き海苔、味付け海苔、うに
- 野菜類:菜の花、枝豆、モロヘイヤ、ほうれんそう、アスパラガスなど
- 果実類:いちご、ライチ、アボカド、マンゴーなど
- その他:納豆、ナッツ類、枝豆、卵黄、モロヘイヤ、パセリ、ほうれん草、春菊、ブロッコリー、抹茶、牛乳など
1日の推奨量
- 男性:240μg 女性:240μg
- 上限量:1400μg(70歳以上:1300μg)