トレーニングで補うと良いビタミン
ビタミンは水溶性のものと脂溶性のものがあり、脂溶性のビタミンは過剰摂取すると問題引き起こす場合がありますので、それぞれのビタミンの働きを理解して、1日必要な摂取量を知った上でどのビタミンをどれだけ飲むかを決める必要があります。
- 汗を大量にかく
- 高負荷のトレーニングを行う
- ストレスが多い
- 食生活が偏っている
などビタミンの排出や消費が多い場合は
- トレーニングの質を向上させる
- 体の回復を速める
- 体のダメージを抑える
ためにサプリメントや食生活の改善などで補給していきましょう。
ただし、過剰に摂取すると中毒症状が起きる可能性があるので、上限が設定されているビタミンは上限を守りましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1は水溶性のビタミンでチアミンとも呼ばれています。
炭水化物 (糖質)の代謝をするとき酵素の働きを助ける補酵素になって代謝を促進する働きがあるので、エネルギーをつくるためにとても重要なビタミンです。
また、脳の中枢神経や、手足の末梢神経の機能を正常に保ったり、神経や筋肉の機能を正常に保つために必要なビタミンです。
白色の結晶で弱酸性に対しては安定していますが、アルカリ性や熱に対しては分解されやすい性質を持っています。
- 食欲がなくなること
- 麺類や清涼飲料水など (糖質)の摂取が多くなること
- 汗とともに失われやすいこと
- 活発に動き回ることでエネルギーのを大量に生産すること
などの理由から夏場はビタミンB1が不足しがちです。
ビタミンB1は糖質の代謝に関係しているので糖質の摂取量が多いと摂取量が増加しますし、汗をかいたり、大量にエネルギーを使うと不足します。
ですから、当然アスリートはビタミンB1の必要量は多くなります。
また、偏った食事、お菓子、清涼飲料水の過剰摂取でビタミンB1が慢性的に不足することがありますので注意しましょう。
さらに、タバコやお酒の過剰摂取したり、大量に汗をかくとビタミンB1が不足します。
- 夏場や運動後に体のだるさを感じる人
- 早く疲労を回復したい人
- お酒をよく飲む人
- 喫煙する人
- アスリート
は十分に補給することを考えましょう。
ビタミンB1と食事
- ビタミンB1は穀物の胚芽に豊富に含まれていますが、胚芽は精製される過程でほとんどなくなってしまいます。また、
白米を水でとぐとき(水溶性ビタミンB1であるため) 水道水に含まれる塩素によっても減少します。 - 調理のとき(熱に弱く調理で30~50%が失われるといわれています)
ので、米を研ぎすぎないこと、熱を通しすぎないことなどに気をつけましょう。
白米や小麦粉の代わりに玄米や全粒粉を使ったり、汁ごと食べられる料理にするとビタミンB1を効率良く摂取することができます。
また、ビタミンB1は生の貝類や甲殻類、淡水魚などの魚介類に含まれているアノイリナーゼという酵素によって分解されてしまいます。
ですから、魚介類とともに調理するときは工夫が必要です。アノイリナーゼは加熱すると活性がなくなるので、調理するときは魚介類に先に火を通すと良いでしょう。
ビタミンB1が不足すると
イライラ、集中力の低下
慢性的に不足すると眼球の運動麻痺、意識障害(ウェルニッケ症)、脚気(末梢神経障害)になって食欲不振、疲労感、手足のしびれ、むくみ、動悸などが起こります。
ビタミンB1の役割
- 疲労回復
炭水化物 (糖質)の代謝するためには酵素が使われます。
そして、酵素が働くためには、その働きを助ける補酵素が必要です。
ビタミンB1からつくられる補酵素がないと糖質はエネルギーになることができないばかりか、ピルビン酸や、ピルビン酸からできる乳酸という疲労物質として体内に溜まってしまうので疲労を感じてしまいます。 - 神経機能を正常に保つ
中枢神経や、手足の末梢神経の働きは脳によって調整されています。脳が働くには大量のエネルギーを必要としますが、脳のエネルギー源はブドウ糖だけです。
ビタミンB1が不足するとブドウ糖からのエネルギー生産ができなくなって脳のエネルギーが不足してしまいます。
脳の働きが悪くなるとイライラしたり、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力が低下します。
また、脳からの指令で動く末梢神経の働きが悪くなり、足のしびれや運動能力の低下が起こります。ビタミンB1は認知症やアルコール依存にも関わっていると考えられています。
ビタミンB1が多く含まれる食品
- 穀類:玄米、胚芽精米、小麦胚芽、オートミールなど未精製のもの
- 肉類:豚肉、レバー
- 魚介類:かつお、うなぎのかばやき
- 野菜類:にんにく、にら、ねぎ、たまねぎなど
- その他:卵、大豆、ピーナッツ、米ぬか、酵母 (ビール酵母)、米ぬかなど
にんにくに含まれるビタミンB1はニンニクの成分アリシンという物質と結合してアリチアミンという物質になります。
ビタミンB1は通常余分に摂ると排泄されてしまいますが、アリチアミンの形だと血液中にとどまって、時間をかけてビタミンB1とアリシンに分解され使われます。
また、アリチアミンは水に溶けやすく熱にも強いため調理による損失も少ないという特徴があります。
1日の推奨量
- 男性:1.3mg 女性:1.1mg
- 上限量:指定なし