トレーニングで補うと良いミネラル
ミネラルを補給する場合はそれぞれのミネラルの働きを理解して、1日必要な摂取量を知った上でどのミネラルをどれだけ飲むかを決める必要があります。
- 汗を大量にかく
- 高負荷のトレーニングを行う
- ストレスが多い
- 食生活が偏っている
などミネラルの排出や消費が多い場合は
- トレーニングの質を向上させる
- 体の回復を速める
- 体のダメージを抑える
ためにサプリメントや食生活の改善などで補給していきましょう。
ただし、過剰に摂取すると中毒症状が起きる可能性があるので、上限が設定されているミネラルは上限を守りましょう。
モリブデン
代謝に関わる必須ミネラルです。
代謝の過程で必要な酵素の働きを助ける補酵素の原料として糖質や脂質の代謝を助ける役割を担っています。
人間の体内には約9mgあって肝臓、腎臓に存在する微量ミネラルです。
食品中に含まれるモリブデンはとても微量ですが、植物性食品の中では豆類に多く含まれています。動物性食品ではレバーに多く含まれています。
キサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼという3種類の酵素には必須のミネラルです。
これらの酵素は酸化還元反応を促し体内で起こる様々な代謝に関わっていて尿酸を生成するときに重要な役割を担っています。
尿酸は代謝の過程で発生する様々な物質を体外に排泄するために分解されてできる最終老廃物です。
モリブデンは胃や小腸で吸収されます。
モリブデンの吸収率は高く食品中のモリブデンの約75%と言われています。
過剰に摂取されたモリブデンは尿によって排泄されるので体内のモリブデン濃度は一定に保たれます。
しかし、体内の銅の量が極端に少ないとモリブデンの中毒症状が起こることあるそうです。
モリブデンの過剰摂取が人間の健康に与える影響について調べた研究はあまりありませんが、下痢、胃腸障害、昏睡、心不全などの可能性があるようです。
アスリートにとっても通常は不足を心配する必要はなさそうですが、代謝や造血に必要なミネラルであり、不足すると疲労を蓄積やすくなってしまいますので、ウェイトコントロールのための減量がある人、食事制限をしなければならない人、レバーや乳製品が苦手な人はサプリメントなどで補給すると良いでしょう
モリブデンが不足すると
通常の食事から十分摂取できるので不足することはほとんどありません。しかし、不足すると貧血、疲労、尿酸代謝障害、不妊、神経過敏、昏睡、頻脈などが現れる可能性があります。ガンのリスクが高まる可能性もあります。
モリブデンの役割
貧血予防
モリブデンは銅の排泄や鉄の代謝にも関わっています。
血液をつくるために必要な鉄が不足すると、肝臓に蓄えられている鉄の運搬を助けることで、鉄の利用効率を上げて造血を促す働きがあります。
また、銅の排泄を促す働きもあります。
銅が不足すると鉄の吸収や利用効率が下がってしまうので、モリブデン、銅、鉄を含む食品をバランス良く摂取するようにしましょう。
食道ガン予防
モリブデンの不足が食道ガンと関係あるという報告があります。
土壌のモリブデン濃度が低い地域や飲み水のモリブデン量が低い地域で食道ガンになる人が多いという報告もあります。
モリブデンが多く含まれる食品
レバー、乳製品、豆類、種実類、穀類 など
1日の推奨量
- 男性:30μg 女性:25μg(30~49歳)
- 男性:25μg 女性:25μg(50歳以上)
- 男性:25μg 女性:20μg(70歳以上)
- 上限:量 男性:600μg[30~69歳]550μg[70歳以上] 女性:500μg[30~69歳]450μg[70歳以上]