骨強度と運動の関係
年齢、性別を問わず、運動をすることが、骨強度が向上したり、維持ことに役立っています。
ただし、そのためには、運動する人に適正な強度、適切な運動量、適切な頻度、適切な運動方法を加味した運動プログラムが必要です。
性別や年齢のほかに、健康状態や既往歴、体力レベル、運動歴などを総合的に考慮する事が必要です。
また、運動の効果を最大限に発揮するためには適切な栄養を摂取しながら運動することが大切です。
運動が腰椎の骨密度に及ぼす影響についての研究があります。
30歳前後の男性を対象に、運動習慣のない人と3年以上のトレーニング経験を続けている人の腰椎の骨強度を骨密度によって比較しています。
その結果、サイクリング以外の種目に3年以上取り組んできた人は、腰椎の骨密度が運動習慣のない人と比べて明らかに高くなっていました。
このことは
- 習慣的な運動が骨強度向上すること
- その効果には運動種目によっての違いがあること
示しています。
効果が高いのは
- 人体接触が多いスポーツ
ラグビーなど - ラケットスポーツ
テニス、バドミントンなど - 荷重負荷の大きいスポーツ
パワーリフティング、ボデイビルなど - ジャンプ動作が多いスポーツ
バレーボール、バスケットボールなど
でした。
つまり、
- 骨に対する一定レベル以上の運動剌激(荷重負荷)があること
- 骨に対する刺激が繰り返しあること
が、骨強度を向上させるためには必要だという事です。
ただし、女性は運動が過度になる(オーバーワーク)だと骨量を低下させてしまうケースもあるので注意が必要です。
オーバーワークになると月経異常が起きて、骨吸収(骨を壊す作用)を抑えるエストロゲンの分泌量が低下してしまうため骨量が低下してしまうのです。
またトレーニング中の身体的疲労や精神的変化(意欲の低下、食欲減退、睡眠不足)も骨の強度に関連するホルモン分泌や神経活動に影響を与えるので、年齢、健康状態、運動量、種目、頻度などを考慮してプログラムを作成し、頑張りすぎない事が大切です。